特集 フォトエッセイ 「青い海と白い砂」 −113系のある風景−  Page 1

彼がやってくると必ずシャッターを
切ってしまうのはなぜだろう。たと
え、他の列車たちを撮りに行っても、
彼が来るとファインダー越しに彼を
見てしまう。それはもしかすると幼
い日の記憶。できたばかりの真新し
い線路の上を、ピカピカの彼が誇ら
しげに走る。そんな姿にあこがれた
からだろうか。気づけば彼といっし
ょに私も年を重ねてきた。夏の日、
小駅に到着する彼を見た。高校生の
ときに一人で夜の闇の中を走る彼に
乗り仲間に会いに行った。そんな記
憶がふと蘇る。




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