特集 フォトエッセイ 「青い海と白い砂」 −113系のある風景−  Page 5

「懐かしい匂い」がする。

「懐かしい匂い」とは人それぞれなのだと思う。しかし、それはだれでも
持っているもの。たとえば、田舎の方へ出かけるとなんとはなしに、誰か
が「あ、懐かしいこの匂い」と言っているのを耳にする。それぞれの土地
にはそれぞれの匂いがあり、この房総半島にも匂いがある。これが私にと
っての「懐かしい匂い」のひとつだ。畑の農作物に土の香が混ざり、どこ
からか吹いてくる風に乗って海の香が少し混ざる。それが「懐かしい匂い」
となって私の鼻をくすぐる。そんな匂いのするところを走りぬけてきた彼
にもその匂いが染み付いている。だから彼を見るとその匂いもいっしょに
漂ってくるのだ。


Page 6 へ
Copyright YUMEKI

≫特集トップにもどる 

≫鉄道風景ギャラリートップにもどる  

≫夢のつづきトップページにもどる